2025年10月11日、鶴学園初等中等教育研究センターさんが主催する広島での研修会「教師塾」に招かれ、模擬授業を行ってきました。
ご縁のきっかけは、昨年の「未来の先生フォーラム」でお会いした先生からお声がけいただいたこと。小学校から大学まである学園の先生方のみならず、学外の方にもオープンな形での研修会とのことで、広島方面で#僕基地を知ってもらえる、とても有難い機会となりました。
会場は、広島工業大学高等学校のALC教室。図書室を囲むように、開けた場所にテーブルや机が配置され、創造力をかき立てるような空間でした。隣接した和室では日本文化部が活動するそうですが、「高校生花いけバトル」全国大会でも優勝した強豪校なのだそうです。
研修には、小・中・高校の先生や、近所に住む社会人の方など、さまざまな方が集まりました。
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| ■研修会タイトル:ボードゲーム教材を活用した主権者教育の実践 ■授業時間:2コマ(120分) ■参加者数:10名 ■授業進行にあたったスタッフ:メイン講師1名、(各テーブルの進行をサポートする)テーブルファシリテーター1名 |
今回は、中学生・高校生向けを想定した2時間の授業パッケージを体験いただきました。前半にゲーム体験、講義を挟み、後半には請願または市民提案を考えるワークを行いました。
2時間という限られた授業時間で展開できるよう、ゲームはフル版ではなく「短縮版」で実施。10のダメチップのところに議員チップを置いて5ターンでゴールを目指します。どんどん力(数)を上げていかないとクリアできないのですが、コツをつかめばすいすいと進めて行けたようです。手数を減らすため、積極的にオピニオンメガホンを立てようとする動きも多く見られました。
プレイの振り返りのあと、地方自治や市民の役割についての講義を経て、後半のワーク。カードに書かれた市民の意見や情報を整理しながら、「この意見はいいな」、「でもこっちに反対意見があるな」、といった形で、講義でのポイントも念頭に置いて対話を進め、提案を組み立てていきました。

(研修会の様子はアーカイブ動画として、学園内の先生方が自由に視聴できるそうです)

(ワークでは「中学生のキャリアの悩みを解決する」請願・市民提案に取り組んでいただきました)
あっという間に2時間が終わりました。
参加者からは、「主権者教育というと投票に行くことばかりを考えがちですが、こうして自分の意見や人々の様々な意見を組み立てて請願やプロジェクトにしていくという方法もあるんだな」という声や、数学を教えられている先生からは、「数字と社会的な事象を組み合わせて考えさせる方法になるほどな!と思った」という声なども聴かれました。
講義の最後に、主催の初等中等教育研究センター長さんから振り返りのご挨拶をいただきましたご紹介します。先生たちにとって、今後の多様な授業づくりを考えていかれる上で、少しでも参考になる部分があったなら、とても嬉しく思います!
《研修後の初等中等教育研究センター長 角島先生ご挨拶》
本日の研修は3つの観点で振り返ることができると思います。
●1つ目は、 ボードゲームという新しい教材の形やゲームフィケーションからの学びという観点。
●2つ目は、市民教育(主権者教育)という観点、それを実際に公務員の方から聞くということ。
●3つ目は、公務員でありながらNPOとしても活動されている「6時の公共」さんという見本、そして、今日の我々のように休みの日を使って違う学びをしているという事実。学校の先生が違う組織や空間で交流を持ったりすることで、多様なものを学校の中に持ち帰り、多様な学びにつなげていくことが今後ますます必要になってくるということ。
次期学習指導要領が弾力化して余白が作られるようになってくると、独自性を持ったカリキュラムや学校設置科目を作っていくようなことになっていきます。この度のような先生方の体験や学びがそういった教育づくりの場面で繋がっていきます。また、例えば子ども自身が請願書を書いてみるような探究型の授業をやっていくと、子ども自身がそのまま県庁や市役所に採用ということにもなっていくかもしれません。
バイタリティあるNPOの方々が時間をかけて、週末を使って千葉からここまでやってきてくれたわけですが、私たちも、こういう社会人の生き方がすごく参考になったんじゃないかと思います。ありがとうございました。
~おまけ~

部屋の中を散歩していたLOVOT「らぼちゃん」に癒されました!
~6時の公共では、できるかぎり、幅広い世代に向けて、世代に合った工夫をこらした授業や研修をお届けしたいと考えています。ぜひ、ご相談ください~