体験会&探究学習カリキュラム開発ワークショップ@山口大学レポート


2025年10月12日、ボードゲーム「僕らの基地がほしいんだ」の体験会と探究学習での活用を目指したカリキュラム開発ワークショップを、山口大学教育学部田中研究室共催で開催させていただきました。


今回のワークショップは、僕基地の開発を行った「まちづくり学習教材開発プロジェクト」のキックオフ時の学習会講師や広報(外部サイト:マナビラボ「15歳の未来予想図」)でご協力いただいた、田中智輝先生(山口大学)、村松灯先生(帝京大学)のご協力を得て、実施に至ったものです。

私たちにとっても、完成した僕基地をご報告する場でもありながら、こうしてさらに活用の場を広げる研究を一緒にしていただけることは、とてもありがたい機会でした。

会場には、大学院生や大学生、現役の先生方や、公民館職員の方などが集まりました。

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■主権者教育ボードゲームを用いたカリキュラム開発ワークショップ
■時間:【体験会】120分、【カリキュラム開発ワークショップ】120分
■参加者数:7名
■授業進行にあたったスタッフ:メイン講師1名、(各テーブルの進行をサポートする)テーブルファシリテーター2名

前半の体験会では、まず、中高生向けに行う2時間の僕基地の授業パッケージがどのようなものか体験してもらいました。ゲームを楽しんだあと、地方自治や市民の役割についての講義、そして、中学生のキャリアの悩みを支援するというテーマで、請願や市民プロジェクトの提案に取り組んでもらいました。

後半は、田中先生、村松先生に進行をバトンタッチし、僕基地を活用した、中学生もしくは高校生向けの3カ月の探究学習カリキュラムの開発ワークを行いました。

まず、個人ワークで、「生徒の興味・関心」「教材の特性」「授業者の願い」を整理。その重なり合う部分から、「中心となる活動」をあぶりだし、グループ内で話し合いながらアイデアをまとめていきました。そこから、小単元ごとに活動内容や、指導体制・指導のポイントなど組み立てていきました。

2時間という限られた中でのたいへんなワークでしたが、さすが教育学を学んでいる学生の皆さんや、社会教育に取り組む方!

豊富で柔軟なアイデアが飛び出してきました。

一方のグループからは、限りなくリアルに請願書を書き上げる練習をするのが効果的だろうという提案がありました。また、請願を練り上げる上では、中立的・専門的な立場でコメントや助言をしてくれる方の協力を得られたらよいのでは、との意見がありました。

もう一方のグループからは、自分たちの悩み事から課題を抽出したり提案を導きやすくするために、学校の外に飛び出して、街のスペースという自由な空間で意見を発散したり、提案の発表の場づくりも自分たちで企画し、地域の人々を巻き込みながら行ってはどうか、自分や周りの人のカードを実際に作ってみるのもおもしろい、といったアイデアが発表されました。

各グループの発表について質問を重ね、評価できる点やさらに磨き上げていくにはどうしたらよいかなどを議論することで、カリキュラムとしての実現性を高めていくための話し合いを重ねました。

(建設的な話し合いの筋道を立ててくださる田中先生(右手)と村松先生(左手))

議論は尽きず、気が付けば日が暮れていました。

終了後は、アフタートークとして、お菓子をつまみながら、社会人が学校に入って教育活動に関わることなど、幅広に意見交換も。

この機会で得たカリキュラムの土台をもとに、近い将来、中高生の生徒さんたちの実践的な学びにつながる、素敵な探究の授業づくりを進めていきたいです!

大変濃密な時間をありがとうございました!

《参加者の声》

・体験的な活動を通した主権者教育は、生徒の興味を引き学びがあるので取り入れてみたい。

・教員になった際、生徒により政治を身近に感じてもらうため、身近な困りごとを請願してみたり、ゲームを通じてその関わりを実感できるような教育をしてみたいと思いました。

・今日のワークショップで得た知見を、総合的な探求の時間や、公共、政治・経済の授業や単元をつくる上で、実践してみたい。

・一人の市民として、また、大学卒業後、自治体職員として、子どもたちを見守る大人となり、社会について自分も考えていきたいと思う。

・本当に良く作り込まれたゲームなので、繰り返しプレイしたりカードのみを使ったりして、授業で活用できるのではないかと思いました。とにかくカードが面白いです!

・ボードゲームのキャラクターにも1つ1つ意味があり、意外な人たちも関わっていることがわかり、姿勢にはより多くの市民の対話が必要であることを実感することができた。

・請願というものをしっかり知る機会が初めてだったので、自分にとっても社会のつながりをより感じることができました。

・子どもの声をまちづくりに反映することの重要性を感じた一方で、どのくらいのリアリティがある話であるかが気になりました。

・子どもたちが抱える困りごとを細かく拾えるような場があればよいと思うので、保護者と地域の人々の連携を強めるような受け皿となりたい。

・自分の住んでいる自治体でどんな取り組み事例があるのかあまりにも知らなすぎたので、これからはもっと積極的に情報収集してみようと思った。

~ちなみに~

山口大学に伺う前に、「湯田温泉こんこんパーク」を見てきました。大学からも市の中心から車で10分くらいといった距離でしょうか。山口市が今力を入れている中心市街地活性化事業の目玉なんだとか。

地域交流拠点の中に足湯があったり、露天風呂があったり。大学と官庁街の間にこんな施設があるというのは、すごく贅沢だと思いました。

探究学習カリキュラム提案の中で「自分や身の回りの課題を街のスペースで自由に発散してからゲームプレイ」というアイデアがあったのですが、その街のスペースとして、こういうところで授業ができるのもいいですよね。

~6時の公共では、できるかぎり、幅広い世代に向けて、世代にあった工夫をこらした授業や研修をお届けしたいと考えています。ぜひ、ご相談ください~