研修レポート:茨城県取手市議会にて高校生たちと


2022年8月10日、僕基地を使い、茨城県取手市の高校生生徒会の皆さんを対象に研修の機会をいただきました。ボランティアスタッフの杉田さんがその時のレポートを書いてくれましたので、紹介します!

写真:テーブルファシリテーターで協力くださった取手市議会事務局の岩﨑さん&プレイを楽しむ生徒会の皆さん

ヽ|ノ ヽ|ノヽ|ノ ヾ|〃ヽ|ノ ヽ|ノヽ|ノ ヾ|〃ヽ|ノ ヽ|ノヽ|ノ ヽ|ノ

2022年8月10日に茨城県取手市の取手市役所の議会棟にて行われた、取手市内の県立高校5校の生徒会が議会について学ぶ情報交換会にお邪魔し、ボードゲーム型教材「僕らの基地がほしいんだ」を用いた研修会を開催しました。

今回参加した取手市内の高校生の皆さんは、生徒会に所属してや学校運営や文化祭の企画、校則の改定などに日々取り組んでいらっしゃるとのことで、そのあまりの素晴らしさにやや気後れしながら会場設営をしていました。ところが皆さん、集合時間よりも早くきて、先生だけでなく見ず知らずの私たちにも元気にあいさつ、設営の準備まで手伝ってくれて、すっかり気を許してしまったのでした。

筆者はまだ団体の活動に参加して日が浅いため、ゲームの際は各テーブルを回って参加者をフォローする役を任されました。参加者の多くは初対面同士、他校の先生もいらっしゃるということで、やや緊張している方もいらっしゃいましたが、取手市議会事務局次長の岩﨑さんのアイスブレイクのおかげですっかり打ち解けて、いよいよボードゲームを用いた研修が始まります。

筆者自身ゲームについて完全に理解しきれていなかったため、どちらかと言えば参加者の皆さんと同じ目線で、皆さんがゲームを楽しくプレイできるようにテーブルを回りました。ロールプレイあり、時間制限あり、協力あり妨害ありの盛り沢山なゲームですので、インスト(ルール説明)の段階から皆さんが協力しあって取り組んでいただけたおかげで、ルールをしっかり理解できた状態で皆さんゲームに入れたようでした。

 今回はゲームに入る前に、参加者全員が一度お試しで手番を行ってゲームの流れを学びました。ひとまず皆さんカードの選び方やカードの置き方は理解できたようでした。1枚選んで、場に出す。手番に行うことがシンプルでありながら、よく考えてカードを置かないとセイガン(ゴール)にはたどり着けない、というところもこのゲームのポイントだと思います。

ゲームが始まると、タケオたち主人公や学校のともだち、学校の先生といった高校生たちにもなじみのあるキャラクターだけでなく、怪しい着ぐるみやオタクの集まり、元議員のニートなど、個性豊かなキャラクターが次々と盤面に現れます。カラフルなカードとキャラクターが盤面をどんどんと埋めていくハデな展開は、このボードゲームのだいご味だなと感じました。

高校生にとっては普段関わりのないキャラクター達も、現実世界にも存在する立派な社会の構成員。ややクセのあるイラストと、キャラクターにぴったりのフレーバーテキストがプレイヤーをゲームの世界観に引き込むようになっていて、社会の波で揉まれまくったベテラン大人も、これから羽ばたく学生や子どもたちも、取り残されることなくゲームの世界に入って目的や趣旨を理解できるようになっています。

ゲームの後はワークシートを使ってつながりを得た人物たちを再確認。誰がセイガンのキーマンになったかを問いかけると、意外な人物がセイガンに貢献していたり、ちょっとした順番の違いで出会うことが叶わなかったり・・・「隣町の小学生が役に立つとは思わなかった!」「運も大事!」といった感想もあり、皆さんめいめいに請願の仕組みや議員の役割、社会関係資本について気付きを得ることができたようでした。

生徒チームや先生チームで比べると生徒チームのほうがセイガンできたチームが多かったのは若さによるものか、それとも時の運なのか…本当のところはわかりませんが、生徒も先生も、ゲストの皆さんが笑顔でゲームを終え、遊び終わったコンポーネント(コマやカード)もキチンと片付けてくれました。

今回の研修会では、生徒と先生を中心に、初めて出会う方が一緒にゲームをプレイする形になりました。ゲームが始まると時間制限があり、なかなか落ち着いてルールを確認しなおしたり、ゲームを止めて質問したりといったことがしづらくなっていますので、ファシリテーターは参加者が理解しきれずにいたり、うっかり忘れてしまっているルールを察知して都度拾いなおしてあげる必要があるなと感じました。そのためには初めてゲームに参加する方が陥りやすいポイントや、どうしようもなくなってしまったときに特別措置的に行う対処法をファシリテーターにあらかじめ伝授しておくことも大事だなと感じました。

今回の研修に参加し、私自身もルールを覚えることができましたので、次回はプレイヤーかファシリテーターとしてぜひゲームに加わってみたいと思いました。

執筆:ボランティアスタッフ 杉田生

ファシリテーターメンバーと杉田さん(右手)。ゲーム後には場所を「議場」に移って、生徒さんたちによる模擬議長選挙や情報交換会の成果発表の様子をうかがわせていただきました。